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石本君へ

ラピュタファームの社長、杉本さんから電話があった。

「来週一週間、長崎から普及員の人がうちに研修に来るから、一回どこかで飲みませんか?」

ラピュタファームは、同じ川崎町の果樹農家仲間。ブドウ、ナシの直売と農家レストランを経営している。レストランは平日でも待ちが出来るほどの人気だ。


普及員。普及指導員という仕事がある。都道府県庁の農政を主管する部に所属し、農家や産地の経営指導を行う。特に技術指導を軸として指導にあたる。

おもしろそうですね。やりましょう。


長崎の普及員さんか・・。


火曜日、近くのもつ鍋屋に席が設けられた。


「うちも父が行くから、手嶋さんのところもお父さん誘ってください」


杉本さんは私より2つ上。小中学校の先輩である。父親同士も同じ待ちの果樹農家仲間で親しい。

昔はこんな小さな待ちにも数十人いた果樹農家も今では4,5件に減ってしまった。

残っている農家はそれぞれ、独自の販路を持っている。直売や契約販売。


この町の果樹栽培の歴史をふりかえれば、農業問題の多くは販売にあることがわかる。


父と宴席に着くのも何年ぶりだろう。


父も私同様、酒が飲めない。父は歩いていこうという私を車に乗せ、店に向かった。

全く飲む気はないようだ。



ラピュタ親子、手嶋親子、それから生協にナシとブドウを販売している原口さんの5人で長崎の普及員さんを囲んだ。


長崎の普及センターは、福岡でいう農林事務所の中に組織的に組み込まれている。丁度今月から福岡の普及センターも近い態となった。

自分が行きたい農家や農業関連企業へ研修を企画して行くことが出来るというよだれが出そうな制度があるのだとういう。

一週間と一ヶ月コースがあり、昨年一ヶ月間東京の小売店で研修してきたそうだ。


「なんでラピュタファームにしたの?」


まず、率直な疑問をぶつけた。


「去年は流通だったので、今年は技術的な研修ができたらと思いまして」


ラピュタで技術・・・。


ラピュタファームの技術は高い。しかし、ラピュタの特徴は何と言っても農家レストランと果樹直売の抱き合わせ経営だ。

ちょっと違和感を感じながらも運ばれてくる料理や酒を飲みながら、話は弾む。

トップバッターは手嶋ぶどう園。


父。


ブドウの話になると一日中でも話す。




手嶋ぶどう園の技術の特徴といえば、道ばたでの単独直売。それから、ぶどうの声を聞く栽培。超弱剪定を柱とした栽培である。通常、ぶどうは落葉してから剪定という作業がある。冬の間にある程度枝を剪除して来年の芽数を制限する。地上部を制限しても根の量は変わらないので、これをやると樹のエネルギーバランスが崩れやすくなり結果、結実が不安定になる。手嶋ぶどう園ではこの冬季の剪定をやらない。樹が必要としない枝、つまり枯れ込んだ枝だけを取り除き、どうしても混み合いそうな枝は棚の下に引き下ろす。結実までは思い切った枝の切り込みは行わず、結実してから少しずつ樹の様子を見ながら徐々に枝を整理していく。そうすると樹から出る枝の数が増え、コンパクトになる。また、花芽の数が増えるためよりよい果実を選抜することができる。さらに枝数が増えたことで1果実当たりの葉枚数が増え、糖度や着色も良くなる。いいことだらけの技術だが、樹への洞察力とまめな管理が要求されるため、誰でも出来るという技術ではない。(詳しくはこのブログ内カテゴリ:手嶋ぶどう園の秘密)



「うーん」


次にラピュタファーム。


面積がでかいので、先ほどの超弱剪定は向かない。枝が多いと必然的に管理作業が増えるためだ。レストランを訪れるお客さん等への観光販売。お客さんに美味しいと言われるものを作るため、こちらにはまた独自の技術というものがある。


「うーんうーん」


最後に原口さん。


ナシとブドウを生協へ販売している原口さん。原口さんは農薬にすこぶる詳しい。生協と言えば、体にいいもの、環境にやさしいものを共同購入という形で流通させる消費者の団体である。農薬がたっぷりかかったブドウなど買ってくれない。使ってはいけない農薬のリストをしっかり定義し、なるべく農薬の散布が少ない果実が求められる。それに対応するためにはやはり農薬のこと、病害虫のことに明るくないといけない。これは原口さんが持つ技術のコアである。


「うーんうーんうーん」


いきなりはちょっと刺激が強すぎたか・・・。



ラピュタファームと原口さんの話は企業秘密かもしれないので、ここで詳しくは書かないが、この町で生き残っている果樹農家は独自の販路を持っていることは先に述べた。

手嶋ぶどう園は、道ばたにある掘っ立て小屋にわざわざぶどうを買いに来るお客さんをいかに作っていくか、という問いに「甘さ」で応えた。最初は100%通りすがりのお客さんがターゲットであるため、ターゲットが最も重要視する「甘さ」、「どこよりも甘いぶどう」をコンセプトとした。

ラピュタファームのコンセプトは「自然とのコミュニケーション」。川崎町のそれはそれは奥の奥殿まで足を運び、ラピュタファーム空間を楽しみに来てくれるお客さん達をターゲットとした果樹栽培とレストラン経営が行われている。

原口さんはターゲットである生協が求めるコンセプト「農薬散布の少ない高品質の果実」を栽培する技術を構築している。

農業の問題は販売にある、と言った。それは正しい。しかし、だからといって技術が厳かで良いというワケではない。コンセプトとターゲットがはっきりすれば、販売の問題は解決したようなものだ。コンセプトとターゲットを一致させるための技術というものが必要になってくる。超弱剪定の技術だったり、減農薬の技術がそれだ。


販売が変われば技術も変わる。そのことをトータルに提案出来るのは普及員しかいない。

わはははは!飲めない私もちょっと飲み過ぎた。


福岡県のはみ出し普及員代表としてあなたへプレゼント。

かっこいいだろ?石本君。
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てしまぶどう園

Author:てしまぶどう園
川崎町にあるちっちゃなぶどう園。
私はそこで生まれ育ちました。
手嶋ぶどう園では、ぶどうづくりをぶどうに任せることにしました。
私たちはぶどうの声を聞き、ぶどうがやりたいようにやるお手伝いをしています。
自然に任せて自然のなかで生きる。

そういう生き方ができたらいいなと思っています。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@
手嶋ぶどう園
電話0947(72)3273
fax 0947(72)5454
〒827-0004
福岡県田川郡川崎町田原
田原交差点そばジョイフルの前
営業時間
朝8時30分~夕方6時
※17時以降ぶどうが無くなると閉店します。
遅くにご来店の際はご連絡下さい。
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